紛争の内容
病気を患い休職をしていたところ、復職のタイミングになっても会社が「やらせる仕事がない」、「席がない」等主張して自己都合退職を求めてきたというご相談でした。
会社の対応は不誠実なものであったため、復職を第一目標として交渉事件の代理人として受任しました。
交渉の経過
まずは会社に対して復職を求めるとともに退職勧奨の真意を確認しました。
会社からは復職を求めるのであれば従事可能な仕事を提案してほしい、それが難しいようであれば退職をしてほしいという回答がありました。
会社の回答は復職の条件を労働者側で提案することを求めるという不合理なものでしたが、ご依頼者様はこの回答により復職をしたとしてもまた似たようなことになると判断し、よりよい退職条件で退職するという方向にシフトすることにしました。
そこからは、退職条件の交渉となりなした。会社は自己都合退職による退職金の減額等を主張していましたが、退職金満額の支払い及び慰謝料の請求を行いました。
本事例の結末
会社都合退職、退職金満額支給、慰謝料75万円の支払い等の内容で退職合意が成立しました。
合意書に記載された金員はその後、会社から振り込まれました。
本事例に学ぶこと
様々な理由をつけて会社が自己都合退職を求めてくることがあります。
労働者が退職勧奨に応じる法的な義務はなく、また、会社として労働者を解雇をすることは非常に難しい状況になっているため、仮に退職を前提としてもよいという場合には相対的に有利な条件交渉がしやすいケースが多いかと思います。
会社から自己都合退職を求められているという方はそれに応じてしまう前に是非一度弁護士に相談することをお勧めいたします。