紛争の内容

身内が経営していた会社を手伝うこととなった、言われた通り業務委託として長年働いてきたが自分以外はすべて社員という状況であった、業務上のストレスで業務困難となったところ一方的に業務委託契約の終了を宣言された、とのご相談でした。
会社では同様の業務を社員が行っている等の事情がありましたので、実質的な雇用関係を前提として地位確認等を会社に求めました。

交渉の経過

会社からは対応に問題はないと考える旨の書面が送付されたのみで交渉の余地がなかったため、手元の資料をもとに裁判所に労働審判の申立てを行いました。

本事例の結末

労働審判では労働時間に大幅な裁量が認められる等の理由から完全な労働者性を認めるものではないが、一方的に契約解除を言い渡した会社の対応にも問題があるとして、金銭解決の方向性が示されました。
結論として、業務委託料相当額6カ月分の支払いを行うという内容で初回期日に調停成立となりました。

本事例に学ぶこと

労働者性(労働者としての保護を受けるか否か)は契約の形式ではなくどのような形態で業務に従事しているかという実態に即して判断がなされます。
業務委託や個人事業といった形式で働いているという場合でも実態は労働契約であると認められるということもあり得ますので、疑問を感じた場合には一度ご相談いただければ幸いです。