不当解雇を争い,和解で合意退職に至った場合,退職金がもらえるのかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。

そもそも退職金は,賃金と違って,労働者なら必ずもらえるものではありません。労働基準法にも根拠となる規定はありません。
退職金請求が認められるためには,就業規則等に退職金支給の規定があることが必要になります。

また,就業規則等に退職金の規定が無い場合でも,労使慣行で必ず退職金が支払われてきた場合や,労働者と個別に退職金を支払う旨を合意していた場合には,退職金請求が認められる可能性もあります。

この場合には,退職金の金額がいくらであるのか計算できるくらい,具体的な慣行・合意がある必要があります。

そして,就業規則等あるいは慣行・合意によって,合意退職の場合でも退職金がもらえるのであれば,退職金を請求し,和解の中での扱いを検討することが可能になります。

なお,懲戒解雇が有効であり,かつ退職金規定等で不支給・減額が定められていた場合には,退職金が支払われないまたは減額されるということもあり得ます。

とはいえ,退職金は,賃金の後払い的性格を有していると考えられているので,裁判例では,その労働者が勤続してきた功績を抹消あるいは減殺してしまうほど著しい信義に反する行為があった場合に限り,不支給・減額ができるとされています。

退職金の時効は5年となっています(労基法115条)。
不当解雇を争う際には,あわせて退職金規定等も確認して請求の内容を検討することも重要になりますので,ぜひ就業規則とともにご確認頂き,手元に入手するようにされることをお勧めします。

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