紛争の内容

ご依頼者の方は、体調不良により休職を余儀なくされていたところ、休職期間中に会社から解雇を言い渡されました。休職期間の長さからすると解雇の判断はあまりにも早急であり、また解雇に至る手続きにも不備があったと考えられました。このような事情から、本件解雇は解雇権の濫用に当たりうるものとして、不当解雇であると判断し、会社側に対してこれを争うこととなりました。

交渉・調停・訴訟等の経過

まず会社との任意交渉を試みましたが、解決に至らなかったため、労働審判手続きへと移行しました。労働審判においても合意には至らず、最終的には訴訟へと発展しました。訴訟においては、ご依頼者の方が休職中であったとはいえ、就労の意思を有しており、かつ就労が可能な状態にあったにもかかわらず、会社が一方的に解雇に踏み切ったという点を中心に主張・立証を行いました。会社側は、休職により就労できない状態にあったことを理由に就労の意思がないと主張しましたが、こうした主張に対しても丁寧に反論を重ねました。

本事例の結末

訴訟手続きの中で和解による解決が成立しました。和解の内容はご依頼者の方にご満足いただけるものとなり、円満に解決することができました。

本事例に学ぶこと

体調不良を理由とした休職は、労働者にとってやむを得ない事情によるものであり、そのこと自体をもって直ちに解雇が正当化されるわけではありません。解雇が有効とされるためには、解雇に至るまでの手続きが適正に行われていること、また休職期間や就労可能性に関する判断が合理的になされていることが必要です。本件のように、休職期間が短い段階での拙速な解雇や、手続きに不備のある解雇は、解雇権の濫用として無効と判断される可能性があります。もし会社から解雇を告げられた際に少しでも疑問や不安を感じた場合には、早めに弁護士へご相談されることをお勧めします。適切な時期にご相談いただくことで、交渉・労働審判・訴訟といった各段階において、ご依頼者の方の権利をしっかりと守るための対応が可能となります。

弁護士 遠藤 吏恭