ケガや病気などで働けないとき,会社の傷病休職制度を利用して治療や療養に専念するということがままあります。

休職制度は,法令上に根拠があるものではなく,会社が就業規則等に定めて用意している制度になります。したがって,その要件や内容,復職に際しての定めなどは,会社ごとに違ってくるため,よく確認することが必要です。

さて,傷病休職制度では,休職期間の満了時に傷病が治癒せず復職できない場合には自然退職(自動退職)とする制度設計が典型的です。
このような制度設計については,裁判例においても,その合理性が認められています(エール・フランス事件。東京地判昭和59年1月27日)。

復職可否の判断は,就業規則等の定めに従って,会社が行うことになります。
しかしながら,例えば労働者が復職は可能だと主張している一方で,会社が復職は不可能だとして自然退職(自動退職)と扱う場合には,不当解雇ではないかという争いが生じます。

この場合には,労働者は,労働審判や訴訟などを通じて,労働契約上の地位確認を求めていくことになります。
労働者としては,治癒しており復職が可能であるとの診断書を提出するなどして,復職が可能である旨を主張していくことになるため,自身の状況や職務内容等について,主治医とよく話し合うことが必要です。

また,傷病が業務上災害である場合には,別途期間規制があるため(労基法19条1項類推適用),自然退職(自動退職)は無効とされます。
そのため,傷病が労災に当たる場合などには注意が必要です。

自然退職(自動退職)ともなれば,職を失ってしまうことになるため,労働者にとっては一大事です。
もし,ご自身の復職が認められない等トラブルが生じてしまった場合には,一度弁護士までご相談されることをおすすめいたします。

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